がじゃんびら公園(含 美空ひばりの歌碑) | 那覇市観光資源データベース
がじゃんびら公園目次
美空ひばり
沖縄県那覇市にある1.70haの広さをもつ「がじゃんびら公園」は小禄の高台にあり、西の端にある眺望広場からは那覇の街並みが一望できます。
敷地が住宅街に沿って横に長く続く公園なので、地元の方々にはお散歩やウォーキングコースとしても馴染みのある公園です。
眺望広場の一角には昭和を代表する歌姫・美空ひばりさんの「花風の港」の歌碑が建てられています。
でもなんでここ沖縄に美空ひばりさんの歌碑があるのでしょうか?
戦後、焦土と化した沖縄で戦後の復興のために立ち上がった多くの人々の心に生きる勇気と大きな夢を与えてくれたのが美空ひばりさんでした。
戦後の市民の心の支えとなった平和の使者・美空ひばりさんへの恩返しになればという強い思いから、歌手の石原エミさんが歌碑建立を提案。9ヶ月の歳月をかけて那覇市やレコード会社、関係者への提案をし実現にこぎつけました。
美空ひばりさんの1500曲余りの持ち歌の中で唯一沖縄県と関係があり、琉舞の花風をモチーフにしたとされる「花風の港」が選ばれました。そして平成9年12月8日の真珠湾攻撃が行われた日と同じ月日にお披露目されました。
歌碑には那覇の港を歌った「花風の港」の1番の歌詞
「赤いサンゴの 波散る島を
なんであなたは 捨ててゆく
出船ほろほろ 花風の港
紅の手さじを 前歯に噛んで
忍び泣くのも 恋のため」
の文字が、作詞した西沢爽さんの字で刻まれています。
歌碑前にある足跡の絵を踏むと、オートサウンドシステムが反応して、スピーカーからは美空ひばりさんが歌う「花風(はなふう)の港」「愛燦燦」、歌碑建立に尽力した石原エミさんが歌う「美空ひばり讃歌」が流れ、最高のロケーションで歌姫たちの歌声を楽しむことができます。
「花風」は公園から対岸にある「三重城(みーぐしく)」にまつわる話です。
まず「花風」は明治38年頃に創作された琉球舞踊のひとつで、古典舞踏のどの分類にも入らないもろもろの踊りのことです。
その昔、遊女は遊郭の女性という身分ゆえ、愛する男性との別れの際には直接顔を合わせることはできませんでした。そのため、男性を見送る際は三重城から手ぬぐいを振って別れを告げました。
那覇の港から船出する愛しい人を三重城から見送る遊女の切ない別れをしっとりと表現しているのが「花風節」です。
「花風節」
「三重城にのぼて 手巾持上げれば速船のならひや 一目ど見ゆる」
(訳 三重城に登って別れのハンカチを振っていたら、船足が速く一瞬しか見えない)
これが元となり、作られたのが美空ひばりさんが歌う「花風の港」なのです。
2曲を並べてみると、花風節の物語をこの曲を手がけた西村さん・猪俣さん風にまとめられたのかな。と印象を受けます。
ここ、がじゃんびら公園からは歌に出てくる三重城がよく見えます。眼下には那覇港があり手前の軍港、対岸の那覇港があり、「花風の港」は「那覇港」を指していることになります。
現在でも船が行き来する様子と、戦前の花風節の様子が重ねられ、ロマンティックや景色が広がります。
沖縄県に関係ある曲を、那覇が一望できるこの地で、美空ひばりさんの歌声を楽しめるなんて最高ですね。
また、歌詞が刻まれた歌碑の上部には五線で3つの音符が。見てみると「ミ・ソ・ラ」になっています。遊び心もありますね!
由来
「がじゃんびら」って聞きなれないし、おもしろい名前ですよね(笑)
がじゃんびらとは公園だけの名前ではなく、那覇市垣花(かきのはな)から安次嶺(あしみね)にいたる坂道の名称で、付近一帯をさす地名です。
琉球王国時代、中国からの使節・冊封使(さっぽうし)はこの地を指して「儀間山(ぎまやま)」「筆架山(ひっかさん)」と記していましたが、1877年には「蚊坂(がじゃんびら)」と呼ばれるようになっていました。
沖縄の方言で蚊が「がじゃん」、坂が「ひら(びら)」というそうで、「蚊坂」と書いてがじゃんびらと読みます。
昭和54年に発行された、沖縄のむかし話によると
もともと、沖縄には蚊が住んでいませんでした。
唐の国(中国)文化の栄えた国で、見ること聞く事すべてめずらしいことばかり。琉球(沖縄)にはない植物や動物もたくさんありました。
ある日、唐の国を訪れた使者はめずらしい音をだすガジャン(蚊)という生物を見つけます。
唐での用事も終わり、琉球に帰国する事になり、琉球にない珍しい生き物の鳴き声を地元のみんなに聞かせてやろうと思い、お土産にガジャン(蚊)をたくさん持って帰ることにしました。
長い長い船旅の中でもこのガジャン(蚊)のなき声を聞き、楽しんでいました。
やっと船は那覇の港につき、使者はガジャン(蚊)を入れた箱をかかえて垣花のヒラ(坂)登って行きました。
この時、さっきまで鳴いていたはずのガジャン(蚊)の鳴き声が聞こえなくなった事に気がつきました。蓋を開けてみました。そのとたん、ブーンとガジャン(蚊)が次々と飛び出してしまいました。中にまだ残っているか中を見たのですが、なんの手ごたえもありません。
全部逃げてしまったのかな、少しは残っているかな、とそっと開けるとまた、ブーンと何匹か逃げてしまいました。中を確かめるともう一匹も残っていませんでした。
琉球のガジャン(蚊)は、これからひろがったという話です。このガジャン(蚊)を逃がしてしまった所を今でも人々は「ガジャンビラ(蚊の坂)」と呼んでいて、この地名にこの公園の名前が由来しているんだとか。
その他にも、我謝(ガジャン)という富豪の家の前の坂だったから我謝の坂と呼ばれるようになったなど、諸説あるようです。
景色
那覇空港から最も近い夜景スポット・がじゃんびら公園。
高台にある公園なので、もちろん夜景だけではなく吹いてくる海風を感じながら見る那覇市の都市風景や港を見下ろすことができる日中の景色も最高です!
広々とした公園の中心部にある美空ひばりさんの歌碑もある眺望広場は公園内の中でもダントツで見晴らしがよく朝日も夕日もキレイに見ることができますし、広場付近にある橋の上からは那覇港を挟んで対岸にある那覇市内を中心とした景色を望むことができます。また更に、近くの高台に移動してみると豊見城市の景色も見渡せ、ビューポイントを変えれば360度近い景色を楽しむことができます。
天気が良ければ那覇空港はもちろん、那覇空港の先に渡嘉敷島を望むこともできますし、飛び立つ飛行機やなめらかに走るモノレールの姿を見ることもできます。大人だけではなく、子供もたっぷり楽しめそうですね♪
全長500mの遊歩道沿いからは、那覇港ごしに広がる那覇中心部や米軍施設も望めますので、公園内をゆっくりお散歩しながら景色を見るのもいいですね♪
オススメは朝!ほとんど人がいないので、がじゃんびら公園から見る景色を独り占め(もしくはふたりじめ?)できちゃいそうです!
夜景スポットとしては那覇市の中では有名なスポットのようで、街灯もあるので雰囲気がとってもいいです。ただ、暗めの街灯なので、石階段などの段差や急坂には十分気をつけて歩いてくださいね。
少し気になるのは、がじゃんびら公園周辺に高層マンションの建設が進んでしまっていること…。
住宅街の中にある公園ですから仕方がないのかもしれませんが、ここから見える景色が守られることを願います。
早めに足を運んでみてくださいね!
花火
高台の住宅街にある静かな公園、がじゃんびら公園も人で混雑する日があります。それは、那覇市内で花火が打ち上げられる日です。
場所によっては360度近くを見渡せるわけですから、花火観覧のスポットにはもってこいですよね!
公園内に街灯があるとはいえ暗いので、お子様連れの方は移動する時には特に注意が必要です。公園には駐車場はありませんので公共交通機関で行きましょう!
那覇市内で打ち上げられる花火であれば、だいたい見ることができるようですが、オススメは2つ。
沖縄の皆さんにとっては馴染みのあるお祭りの中で打ち上げられる花火なのですが
・那覇まつり
毎年10月に3日間かけて開催されるお祭りで、花火も3日間毎晩打ち上げられます。奥武山公園内にある陸上競技場から、一発一発が大きい花火が打ち上げられます。がじゃんびら公園から奥武山公園は1kmも離れていませんので、近すぎず遠すぎず、でも迫力はバッチリの花火を見ることができそうです!
・那覇ハーリー
>毎年5月、ゴールデンウィーク中に3日間かけて開催されるお祭りです。海上の那覇新港付近で打ち上げられます。那覇市内の開催ではありませんが、豊見城市のお祭り、とみぐすく祭りでも花火が打ち上げられます。天気や風の様子ではそちらも遠くに見ることができるようです!※新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止や日程変更もありますので、見に行く際には注意してください。
場所
「がじゃんびら公園」の所在地は、沖縄県那覇市金城1丁目。
昭和50年ごろまで米国空軍の住宅エリアの一部であったこの地に作られた公園なので、 閑静な住宅街の中にあります。公園から一歩外へ出ると沖縄の方々が普段暮らしている日常の景色が広がっています。なので、多くの地元の方々お散歩やウォーキングコースとしてこのがじゃんびら公園を利用しているんですね。
那覇空港からも近く、那覇空港からは約8km、タクシー利用で1000円ほどで行くことができます。
がじゃんびら公園への最寄り駅は、沖縄県内を走るモノレール「ゆいレール」の小禄駅もしくは奥武山公園駅です。そこからは約2kmで徒歩20分ほどの道のり。
路線バスで行くなら、那覇西高校前バス停下車5分ほど、もしくは金城バス停下車で徒歩10分ほどの道のりです。
沖縄の方の暮らしに触れながら、沖縄の伝統工芸品のシーサーを探しながら公園までゆっくり歩いてみるのもよさそうですね。
公園内には駐車場がありません。
がじゃんびら公園周辺にも大きな駐車場はなく、個人的に貸出している予約制の駐車場が2・3台あるだけです。 19台程停められる広めの駐車場は600mも離れたところにありますので、がじゃんびら公園に行く時には公共交通機関を利用して行くのがよさそうですね!
フリーメイソン
那覇市民憩いの公園、がじゃんびら公園に世界的に有名な秘密結社「フリーメイソン」と関係する不思議な噂があります。
那覇市内にある「新都市公園」をGoogleマップの航空写真で見てみたら、私は声が出るほど驚きました。
あの有名なフリーメイソンのマークが浮かび上がっているんです。
同じように、がじゃんびら公園の高台にある眺望広場を航空写真で見てみると…新都市公園ほどハッキリではないのですが、フリーメイソンのマークのような「目」が浮かび上がりました。
両方ともただそこへ行って見ただけじゃ分からないのが、またなんとも秘密結社らしいというかなんというか。
実はこのがじゃんびら公園、フリーメイソンのメンバーだったとして有名な、ペリーが来航した際の記念として作ったのではないかと言われているのです。
え!?ペリーが沖縄にきたの!?と思いますが、実は江戸に向かう前に当時琉球と呼ばれていた沖縄に立ち寄り、首里城に立ち寄ったそうなんです。
がじゃんびら公園の目の前にはペリーが降り立ったであろう那覇港(軍港)…。ありえない話ではなさそうです。
諸説では、ペリーが来航する何年も前からフリーメイソンが琉球に貿易を通じてやってきていた。その証拠に当時の村人たちではとても作れない、バラバラの大きさの石で作ったのに隙間がない石垣が残っている。なんていう話もあります。
フリーメーソンは今でこそ世界の政治・経済を影で動かす秘密結社と呼ばれ、欧米を中心に政界・経済界の大物たちに多くのメンバーがいるようですが、元々は古代エジプトの石工業者の団体に端を発しているということであるから、石を複雑な形で隙間なく組むことのできる高い石工技術を持つメンバーが、遥か昔から琉球・沖縄にいて、現在でも残る石垣を作った。という話も。 こんな噂が出たのはきっと、沖縄にフリーメイソンの支部があるからなのかもしれませんが、信じるか信じないかはあなた次第…とはこのことですね。
関連情報
沖縄赤十字病院
【那覇市観光協会公式】沖縄那覇の観光情報
市議会|那覇市公式ホームページ
所在地:901-0155 沖縄県那覇市金城1丁目
料金:無料
駐車場:なし
アクセス:那覇西高校前バス停より徒歩5分